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2007年11月17日(土)・18日(日)の2日間にわたって「伊勢国際宗教フォーラム」の設立大会が、 三重県伊勢市の皇學館大学で開催されました.特別記念講演の講師として,チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世をお迎えした本大会は、 多数の参加者を得て、日本の精神文化の基層である伊勢の地から世界に向けて宗教的メッセージを発する場となりました。
初日の17日には,百周年記念講堂にて設立総会が開催され、本フォーラムの趣旨・設立経緯・規約などについて、会員の皆様の承認を得ることができました。
設立総会終了後、倉陵会館食堂にてレセプションが開催されました。なごやかな雰囲気で会員間の親睦が深められました。 また、レセプションでは皇學館大学ゆかりの邦楽演奏も行われ、参加者一同,熱心に聞き入っていました。
翌18日には開会式に引き続いて、フォーラムI「神と仏・自然と人-聖なるものの交感」が開催されました。 最初に千田稔氏(国際日本文化研究センター教授)に「日本人の信仰と基層文化」というタイトルで、 本フォーラムの重要な出発点となる、基調講演をしていただきました。
その後休憩をはさんで、3名の先生方による基調発題が行われました。 薗田稔氏(皇學館大学大学院特任教授・京都大学名誉教授・秩父神社宮司)からは「日本におけるDeep Ecologyと宗教文化」、 木村清孝氏(国際仏教学大学院大学学長・東京大学名誉教授)からは「仏教における「霊性」とその開発-自然観との関わりを中心に-」、 宮家準氏(慶應義塾大学名誉教授)からは「修験道における自然、権現(神・仏)との交感」というタイトルのもとに、発題がなされました。 3名の先生方には、順に神道・仏教・修験道という異なる観点から、宗教と自然の関わりについて大変興味深いお話をいただきました。
昼食休憩後,吉川竜実氏(神宮権禰宜)、平岡昇修氏(東大寺塔頭上之坊住職)、巽良仁氏(大峰山寺代表役員)に、 それぞれ神道・仏教・修験道の立場を代表するかたちで、宗教の将来を見すえた提言をしていただきました。
提言終了後、ダライ・ラマ法王による特別記念講演が行われました。法王は自らが一人の修行者に過ぎないとされたうえで、 大変に親しみやすいお言葉で、異なる宗教間のいさかいをなくし平和共存を実現するには、 お互いの異なる部分に対する理解と思いやりが大事であることを強調されました。 講堂を埋め尽くした聴衆は、法王のお言葉にじっと耳を傾けていました。
特別記念講演に続いて、フォーラムIIが開催されました。コーディネーターに櫻井治男氏(皇學館大学教授)を迎え、 基調発題者・提言者によるパネルが行われました。ダライ・ラマ法王にもご参加いただくかたちで行われたパネルでは、 活発な意見が飛び交い、議論の深まりを見せていました。
閉会式では、ミュージシャンのイルカさんの指揮のもと、参加者全員で童謡「ふるさと」を合唱しつつ、 本大会のテーマである、心のふるさととしての宗教・自然に思いをはせました。 熱気いまだ冷めやらぬなか、「伊勢国際宗教フォーラム」は、大盛況のうちに設立総会・記念大会を終えることができました。